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まだ注射を打ってから1時間くらいしか過ぎていない。注射の効き目が切れるまで後1時間もある。
このまま加藤様に乱暴されてしまうのだろうか。
そんなの絶対に嫌なのに、その意思を伝える術がない。
加藤様が私のドレスに手をかけ下に引っ張ると、真っ赤なドレスは身体から外れ、下に落ちていく。
私の身体には下着が残っているだけ。
止めて、止めて、何でもするから止めて!
頭の中で叫び続けていると、中野様の「雪が動きました」と言う声が聞こえた。
雪さんはどうなっているの?
雪さんがどうして動けたのか知りたいのに、視線を動かせないので、雪さんを見る事が出来ない。
「くそっ、中野に負けてしまった。アニ、負ければ永遠に人間に戻れないぞ」
加藤様は、床に落ちたドレスを引き上げて、紐を肩にかけると、私の耳元で呟いた。
永遠に人間に戻れないって、ゲームに負けたら私を殺すってこと?
動けないから頑張る事なんて出来ないのに、殺されるなんて……。
どうして雪さんは動けたの?
私は頭の中で必死に叫んでいたのに、視線すら動かす事が出来なかった。
私が雪さんの事を気にしているのに気づいたのか、加藤様が私の身体を雪さんの方に向ける。
雪さんは下着だけの状態で、右手の指がピクピクと動いている。
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