人間ドールデスゲーム

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でも、雪さんの表情は固まったまま。指だけ注射の効果が切れるなんて驚いた。 「1回戦は中野様の勝ちですね。中野様おめでとうございます。ここで少し休憩を入れます。2回戦は20分後に開始しますので、皆さま、時間になったらお越しください」 谷山さんの話が終わると、スクリーンが真っ暗になった。 「人間ドールの皆さん、今から顔の緊張のみ解ける注射をします。2回戦が始まるまで少し休んでください」 谷山さんはそう言うと、手際よく雪さん、私、花音さんの順番で肩に注射を打っていった。 すると、すぐに視線が動かせる様になり、口も開くようになった。 「加藤様、このゲームは一体何なんですか! 顔の緊張を解ける注射をどうして谷山さんが持っているのですか!」 怒りで早口になる。 「服を着せてください」 隣では雪さんが中野様に懇願していて、花音さんは泣いている。 「ふふふっ。まだアニには何も話していなかったね。ドールハウスLは私の指示で石川君に作らせたものなんだよ」 「……」 加藤様の指示で作らせた? 意味が分からず頭の中が混乱している。 「人間ドールは私の子供の頃からの夢だったんだ。私は姉が3人いるせいか、小さい時から人形遊びが好きでね、すぐに高級なドールを使う様になった。ドールで遊んでいるうちに、人間のドールが欲しいと思うようになったんだよ」
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