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永遠に人間ドールって、ずっと注射を打ち続けるということ?
加藤様の家から出られなかったら、私が人間ドールのまま閉じ込められているなんて、家族でさえ気づかない。
だけど、ドールハウスLの社長はともかく、白井さんや伊藤さんは私がここにいる事を知っている。
伊藤さんは私がゲームに負けたら、ドールハウスLに帰されるはず。
白井さんは、加藤様と社長の関係を知っている様だった。
何かあっても、きっと2人が警察に連絡して助けてくれると信じよう。
「まだ指の動きが止らないです」
雪さんが、中野さんに話しているのが聞こえてくる。
「本当だね。大丈夫。次のゲームには関係ないから」
中野様は雪さんの事を、たいして心配していないようだ。
中野様の言い方だと、次のゲームは身体の1部でも動いたら勝ちというゲームではない事になる。
「アニは次のゲームが気になるんだろ? もうすぐ始まるから楽しみにしておきなさい」
加藤様が私の顔を見ながらニヤニヤしている。
ここから出るには絶対に勝たないといけない。
勝てば必ずチャンスはくる。
雪さんには、絶対に勝ちたいという強い意志はみられない。
花音さんの気が弱っているのは、様子を見ただけでわかる。
この2人になら勝つチャンスは必ずあると思う。
20分が過ぎた時、谷山さんがやって来た。
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