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「さあ、次は2回戦です。次は人間ドールとペアになるドールとの相性をゲームにしました。ドールの身体には人間ドールの髪の毛が入っています。2人は一心同体。人間ドールに触れる事なくドールを触ると、人間ドールの体温は上がるでしょうか?」
谷山さんがスクリーンの向こう側にいる視聴者に話しかけると、スクリーンの下方にコメントが流れる。
『上がるんじゃないか?』
『上がると面白い。ワクワクしてきた』
視聴者は、人間ドールをおもちゃだと思っているのだろうか? 悔しい。
私のドールの中に私の髪の毛が入っている? 私は自分のドールを買った時に髪の毛を送るなんてしていない。
じゃ、私のドールというのは?
谷山さんが3体のドールを箱の中から出した。このドールは私のドールじゃない。
谷山さんはドールを加藤様、中野様、大石様に渡していく。
このドールは加藤様が購入したドールだ。つまり、加藤様がドールの予約をした時に、ドールハウスLの誰かが、私の髪の毛を入れたドールを作ったということになる。
今思えば、大石様のドールは唯ちゃんの髪の毛を入れてあった? だから、あのドールが怖く感じたのかもしれない。
唯ちゃんは亡くなっているから、唯ちゃんの霊がドールに憑いたのはまだわかるけど、生きている私かドールに憑くはずがない。
一体何をさせようとしているの?
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