人間ドールデスゲーム

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「アニ、君は大切なドールだ。心配しなくてもそんなに酷い事はしないよ。ただ、ドールが魂を持つことは大石君のドールが証明したと思うがね」 加藤様は大石様のドールの事を知っている。ということはあのドールを除霊した事も知っているはず。 加藤様が何を考えているのか全くわからない。 「2回戦は、体温が1番上がった人間ドールを勝者とします。 最初に、注射をして彼女たちを人間ドールにしますので、少しの間お待ち下さい」   谷山さんの話が終わると、加藤様が私の腕に注射を打った。 顔しか動かせない私は「止めてください」と加藤様に懇願するだけで、抵抗する事も出来ない。 すぐに顔の自由も奪われていき、私は人間ドールになった。 雪さんも花音さんも同じだ。 雪さんはドレスをきちんと着せられ、いつの間にか手の震えは止まっていた。 ゲームに勝たないと、私は永遠の人間ドールにされてしまう。 どうしても勝たなければ! 「人間ドールが完成しました。では皆さま、賭けを始めてください」 谷山さんが視聴者に声をかける。 『私は雪だ』 『僕も雪にする』 『アニ、次は勝ってくれよ。私はアニに』 コメントがどんどん流れていく。 やはり1回戦で勝った雪さんに賭ける人は多いようだ。 全員のコメントが流れると、谷山さんが「では先に体温を測ってから、2回戦をスタートします」と宣言した。
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