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3回戦は必ず勝って、このゲームを抜けさせてもらう。そして、家に帰る!
ドールハウスLも辞める。このゲームのことを口外するなと言われれば絶対に言わない。
こんな命をかけたゲームをさせられて始めて気づいたのは、命さえあれば何でもできるということ。
ここを出たら、普通の生活を取り戻す。
加藤様が私の頭を撫でている。
今、加藤様に逆らって嫌われることはマイナスにしかならない。
加藤様に、私は決して裏切らないし、無害な人間であるとわかってもらう必要がある。
雪さんや花音さんが気になって、2人の方を見ると、雪さんは泣いているし、花音さんはずっと下を向いているだけ。
2人にはゲームに勝たなければいけないという強い意志がないように見える。
これなら勝てる。
「加藤様、私が勝てると思いますか?」
「もちろんだ。アニは美しいだけでなく、強い意思がある」
私が勝てば……、聞くのは怖いけど、確かめなければならない。
「加藤様、もし私が優勝したら、私を家に帰してもらえますよね?」
私が質問すると、加藤様は驚いた顔で私を見た。
「アニは家に帰りたいのか。わかった。約束しよう。1位になれば家に帰してやる」
加藤様がはっきりと言った。
これで約束は成立した。
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