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加藤様が冷たい視線を私に向けた。
「もう2度と言いません。申し訳ございません。許して下さい」
加藤様が許してくれなければ、きっと私も花音さんと同じ運命を辿ると思い、土下座をした。
加藤様が許してくれるまで何時間でも、土下座を続けるつもりだった。
「やっとアニは自分の立場というものがわかったみたいだね。わたしに逆らえば、『永遠の人間ドール』にする。まあ、今日は土下座した精神に免じて許してやろう」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
目から涙が溢れ出した。
惨めだ。どうして私がこんな目にあわないといけないんだろう。
だけど、とりあえず助かった。家に帰ったら、ここでの事は全て忘れよう。
新しい人生を歩むんだ!
そう決心すると、土下座くらい何でもないと思えた。
もう2度と加藤様には会わないんだから。
「加藤様、今日は楽しませていただき、ありがとうございました」
中野様が雪さんを連れて、加藤様のところにやって来た。
「中野くん、楽しんでもらえて良かったよ。また招待状を送るから、その時はよろしく。雪、よく頑張ったね」
加藤様が機嫌良く、中野様と雪さんに声をかけている。
招待状?
またゲームをするつもり?
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