人間ドールデスゲーム

27/31
前へ
/180ページ
次へ
加藤様が冷たい視線を私に向けた。 「もう2度と言いません。申し訳ございません。許して下さい」 加藤様が許してくれなければ、きっと私も花音さんと同じ運命を辿ると思い、土下座をした。 加藤様が許してくれるまで何時間でも、土下座を続けるつもりだった。 「やっとアニは自分の立場というものがわかったみたいだね。わたしに逆らえば、『永遠の人間ドール』にする。まあ、今日は土下座した精神に免じて許してやろう」 「ありがとうございます、ありがとうございます」 目から涙が溢れ出した。 惨めだ。どうして私がこんな目にあわないといけないんだろう。  だけど、とりあえず助かった。家に帰ったら、ここでの事は全て忘れよう。 新しい人生を歩むんだ! そう決心すると、土下座くらい何でもないと思えた。 もう2度と加藤様には会わないんだから。 「加藤様、今日は楽しませていただき、ありがとうございました」 中野様が雪さんを連れて、加藤様のところにやって来た。 「中野くん、楽しんでもらえて良かったよ。また招待状を送るから、その時はよろしく。雪、よく頑張ったね」 加藤様が機嫌良く、中野様と雪さんに声をかけている。   招待状? またゲームをするつもり?
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加