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だけど、加藤様はゲームに勝てば家に帰してくれるって約束してくれた。
また新しい人間ドールを使ってゲームをするつもりなのだろうか?
「もちろんです。それまでに雪をもっと成長させておきます」
「そうしなさい。ゲームは緊迫感がある方が楽しいからな」
「はい。ではこれで失礼します。今日はありがとうございました」
中野様が加藤様に頭を下げて、雪さんと一緒に部屋を出て行った。
雪さんの目には涙が浮かんでいる。雪さんは解放してもらえないの?
私は解放してもらえるんだよね? だって約束したんだから。
「加藤様、家に帰ってもよろしいでしょうか?」
加藤様を怒らせない様に、土下座したまま加藤様に懇願した。
「はっ? ワシを怒らせておいて逃げようというのか?」
「加藤様は、私が1位になったら家に帰してくれると約束してくれました。ここでの事は絶対に口外しません。お願いします、家に帰して下さい」
頭を床につけながら、何度も頼む。
こんなゲームを繰り返していれば、いつかは負けて『永遠の人間ドール』になってしまう。
それだけは嫌だ。
「約束か、なるほど約束は守らなければいけないな。わかった。一度家に帰してやろう。ただし、1週間後、必ずここに戻ってくるんだ。わかったな!」
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