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「わかりました。よろしくお願いします」
社長は絶対に無理。社長は加藤様と一緒で私の敵だ。だけど、白井さんは社長よりは信用できる。白井さんなら私を助けてくれる?
やっぱり無理。白井さんは社長に逆らうことは出来ないだろう。
白井さんはある程度、ここで何が行われているのか想像がついている気がする。それでも、私をここに送り届けた。
私が殺される可能性があると知っていたはずなのに。
白井さんは私に同情はしても、私を助ける事は出来ない。
せめて、警察に一緒についてきて欲しいけど、それも難しいだろうか。
私がそんな事を考えていると、「アニ、白井が着いたぞ。じゃ、1週間後にまた会おう」
加藤様はそれだけ言うと、谷山さんと話し始めた。
私はこのまま帰っていいんだよね?
谷山さんが地下室の扉の近くに置いてくれたスーツケースを持ち、逃げるように地下室から出ると、目の前に白井さんが立っていた。
「美沙さん、無事で良かったです。さあ、帰りましょう」
白井さんは心配そうな顔で私を見ている。
「はい。ドールハウスLに帰るんですよね?」
「もちろんです。社長も美沙さんを待っていますよ」
本当は、このまま警察署に連れて行って欲しい、
だけど、私が頼んでも無駄だろう。
それなら、今は白井さんに無理を言って、嫌な雰囲気になるより、素直にドールハウスLに戻った方が良いよね。
「わかりました」と返事をする。
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