19:過去の真実

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彼の泊まる部屋に入ると ダブルベッドに腰掛けた。 彼はスーツのジャケットを脱ぎ ネクタイを外した。 私の目からはまだ涙が流れているが さっきより落ち着きを取り戻した。 彼はハンカチで私の涙を拭く。 きっと今の私は 涙と鼻水でひどい顔をしているだろう。 彼から水のペットボトルを受け取り1口飲む。 やっとゆっくり息が吸えた気がした。 「ごめんね…取り乱して…」 『正直、驚きすぎて混乱してる…。 だけどこれだけは言わせて? さくらに嘘つかせて、さくらも子供も守れなくて ごめんな… 1人にしてごめん…。』 私を抱きしめながら話す彼の声が震えている。 顔を見なくてもわかる。 彼はきっと私と同じだ。 私の涙は簡単には止まらなくて 抱きしめてくれる彼の肩を濡らしていく。 私はまだ言葉にならないけど 何度も首を振り、彼に返事をした。 (圭介はなにも悪くないよ…。)
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