02:過去のはなし

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あれから誰にも相談できず、3日経った。 私は意を決して近所の産婦人科クリニックに来ていた。 慣れない雰囲気に落ち着かない。 目の前に座る母ぐらいの女医が優しく微笑む。 『妊娠7週目ですね。心拍も確認できたし 赤ちゃん順調に育ってますよ。』 先生にモノクロのエコー写真が渡された。 『この白いのが赤ちゃんよ。』 私は震える手で受け取り、茫然と見ていた。 『倉木さん、大学生で未婚だよね。 おめでとうでいいのかな…?』 私はすぐに答えられず… 診察室に静かな時間が流れた。 『相手に心当たりはある?』 先生が私の様子を伺いながら質問する。 「…はい…彼氏です」 震える声でボソっと答えた。 『それなら、彼と親御さんとよく話し合って。 産むのなら次回までに市役所で母子手帳を発行してもらってね。 もし諦めるのなら…2〜3週間以内に予約して。 これからの事、よく考えて決めてね。』 「…わかりました」 会計を済ませ、受付で封筒を受け取る。 中には''妊娠証明書"と''中絶同意書"が入っていた。
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