02:過去のはなし

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その夜、両親に話をする。 妊娠したこと、赤ちゃんを産みたいこと、 そして、、、父親はいないこと。 「お父さん、お母さん、ごめんなさい! でもどうしても産みたいの! どうか力を貸してください、、、!」 初めて両親に土下座する。 父は怒りで拳をにぎる。 母は私の頬を叩いた。初めて母の涙を見た。 『子供を産んで育てるのは、 簡単な事じゃないのよ! 何があってもその子を守らないといけないのよ!ましてや1人でなんて。 さくらは自分のやりたい事を諦めて、 後悔しない覚悟はあるの?』 「私は今、1番この子に会いたいの! それ以上にやりたい事なんてないよ!」 『考える時間をちょうだい、、、』 両親は私と目を合わすことはなかった。
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