1 ♥のお弁当

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1 ♥のお弁当

「はい、これ」  その日の朝っぱらチャイムが鳴って、僕は可愛らしい包みの弁当箱を手渡された。  ぷいと明後日の方向を見て僕に弁当を持ってきたのは、隣の部屋に住む女子高生、みやび。 「罰ゲームで仕方なくなんだからねっ」  物言いがいつもきつい。もっと可愛く出来ないのだろうか。 「開けてもいい?」 「お昼前に開けたら、もう二度と作らないから」  それって、昼前に開けなかったら次もあるということか? 言い方は悪いがなんだか可愛くて思えてきて、自然と笑顔が漏れる。 「ありがとな、みやび」 「べ、別にお礼を言われる筋合いないんだからっ」 「罰ゲームな、わかってる」 「でれでれしちゃって、勘違いしないでよね。じゃあ遅刻するから。あんたも早く会社行きなさいよっ」  みやびはツンツンしながらも足早に階段を降りていった。  昼になり会社で弁当箱を開けてみると、桜でんぶで♥が描かれていた。ツンデレ最高かよ。くっそ可愛い。  それともこれも罰ゲーム? 許す。
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