2 マリトッツォとプリン🍮

1/1

11人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ

2 マリトッツォとプリン🍮

 隣に住んでいる女子高生、みやびは今朝罰ゲームと称して僕に手作り弁当を作ってきてくれた。  罰ゲームってなんだよと思いながらも、けして手抜きなどしていない弁当は旨かった。何かお礼をしないとな、と考えながら会社から帰宅の途につくと、途中コンビニに入っていくみやびを見かける。 「みやび、何か買うのか?」  コンビニに入り、スイーツコーナーで吟味しているみやびに声をかけると、急に現れた僕の存在に変な声をあげた。 「きゅ、急に現れないでよっ。びっくりするじゃない!」 「あーごめん。そだ、弁当旨かったよ、ありがとう」 「当然じゃない、誰が作ったと思ってんの」  照れたのか、僕から視線を外してその場から去ろうとするので慌てて引き止める。 「お礼に好きなスイーツ買うよ」 「へえ、たまには気が利くんだ」  ツンツンツンとしながらもどこか嬉しそうに、みやびはマリトッツォやらプリンやらかごに入れてゆく。見かけによらずいっぱい食うな。  可愛いから許す。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加