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「するとどうだろう」
暗くなった児童を活気づけるかのように、エレン先生は声のトーンを上げた。
「そんなお母さんに、まわりの人が彼女の席に来て言ってくれたんだ。お金は私たちが出すから気にしないで、あなたも思う存分好きな物を食べなさいって。さっきまで何もしないで小言を吐いていた人たちがだよ?その人たちが手を差し伸ばしたの。まるで何かのスイッチが押されたように、ころりと意見が変わった」
スイッチ。今日のキーワードだ。
「お母さんはありがとうと言って、涙を拭いたんだ。するとそこに、少年が戻ってきた」
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