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私は静かに扉を閉めた後、椅子の横へと移動する。
「お掛けください」
「失礼します」
お父さんの言葉で、椅子へと座る。
背もたれから拳一個分を開けて浅めに。
背筋もピンと伸ばし、視線をまっすぐお父さんへ向ける。
「では、面接を始めます。まず、軽く自己紹介をお願いします」
「はい! 田中さくら、十六歳です! 現在の家事は、夕飯の料理を担当しております! 今回は、家事の担当を夕飯の料理からお風呂掃除へと変えて欲しく、本面接を申し込ませていただきました!」
「はい、さくらさんね。元気があっていいですね」
「ありがとうございます!」
お父さん、お母さん、そして妹は、視線を下に落として、手元の紙を確認し始める。
私の履歴書だ。
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