第三幕

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「撃てー!!!」 隊員の声が響き渡る。その直後に銃声も響き渡った。 ドガガガガガガガ!!!! 無数の銃弾がキメラの子分達目掛けて襲いかかる。子分達は素早いものの、一体一体の体力は低いようで、銃弾が当たる度にキメラの子分がボトボトと落ちていく。 末「おお!!」 季「やるじゃん!!」 末武と季武が喜びの声をあげる。 彩「あとはあの母体だけね。」 彩葉が母体に目を向ける。 するとキメラの母体は、ヘリコプターの群れよりも更に上空をものすごい勢いで通過した。 忽ち大きくバランスを崩すヘリコプター。 「「うわぁぁぁぁああああ!!!!」」 悲鳴をあげながら前の座席にしがみつく季武と彩葉。 一方、末武は何かの気配を察知したらしく、 末「―――来るよ!!」 窓から後ろを見て叫んだ。そして季武と彩葉が後ろに振り返った瞬間――― ■■■■■■――!!!! 先程のよりもずっと強烈で不快な超音波がヘリコプターを襲った。 彩「はあっ!!」 咄嗟に彩葉が彼女達が乗っているヘリコプターにバリアを展開した。しかし、バリア越しでもその超音波は強烈で、耳を塞がないと耐えられないようなものだった。 そして超音波が止むと同時に彩葉のバリアも壊れた。 季「彩葉ちゃん、大丈夫!?」 彩「うん、何とか…」 そう答える彩葉だが表情は辛そうだ。 隊員「待ってろ、今ヘリコプターをUターンさせて状況確認を…」 隊員がそう言ってヘリコプターをUターンさせると―― ―――一同は絶句した。 なんとバリアで守られた一同のヘリコプターを除く全てが、黒煙を上げながら落下していく様が一同の目に映っていたのだ。 季「何だよ、これ……」 もしあの時彩葉のバリアが無ければ―――そう考えた隊員、末武、季武はゾッとした。 しかしこの後、その仮定法が直説法に―――恐れていたことが現実となってしまう。 (執筆者 蒼玉)
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