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俳句、短歌
初めまして。あるいは、こんばんは、こんにちは。もしかしてお久しぶりです、の方もいらっしゃるでしょうか。
2020年5月から2021年9月にかけての俳句や短歌を記載いたしました。
相変わらずきちんとしたルール等わからず思ったことをただ型に当てはめているだけです。
今回は2ページ目(最終頁)にて、あとがきを何やら一丁前に設けておりますが、
内容は日々思うことをだらだらと綴った愚痴多めの日記のようなものですので
お読み頂かずとも何も問題ございません。
それでは、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
***
■2020年5月
休もうと立ち止まる度に滲む汗
雷雨だとラインすれば
「こっちはひょう」と父の返事と実家の写真
夕立の
ノイズを吸い込む喧しさ
七難を隠すはまことの幸福か
下地の効能に悩む四季
日焼け止め買ったとしても大抵は
使い切れずにオールシーズン
■2020年6月
梅雨入りの
湿気に脳も重くなり
気だるさに
背凭れ軋む
梅雨の午後
ストレッチもれる欠伸を噛み殺し
風に揺れるうちのレースのカーテンは
世界でいちばん美しい
重怠い
脊椎曲げる
低気圧
楽をするつもりが却って手間増える
■2020年11月
沸いたと油断すると冷える冬の湯
つまさきをつつんでくれる
ねこに惚れ
クリスマス
ほしいものははらないカイロ
ひえびえと
ふゆの空に映えるあまびえ
ほっとけば煮崩し見張れば固く
ニンゲンのごときかぼちゃのツンデレ
ふけば飛ぶ
お世辞言の葉かきあつめ
秋なのだから焼き芋したい
月だけが心の底を覗き込む
一歩ずつ
言いつつ脳内
フライング
約束が
足首に生やす
軽い羽
息きらし
星からきみへ
ひとっとび
しろい息
君まで尾をひき
星電話
君の背に
つぶやく息の
音白く
夜でも目立つな君のリュックサック
オリオンを
指先に灯す帰り道
指先に乗せても逃げない
オリオン座
かざす手を
光らす指輪
アンタレス
忘れたこ
ろにカーテンとペ
ージを割り開く
風に目を閉じ
まどろむ夕方
うれしいが
うれしいの重みのまま
話せたらもっと
静かな朝だった
口を開くまで君を待ち
見つめる瞳の奥の暖炉のオレンジ
「やさしい」が
優しくはない
世界にて
今日も黙って
ひからす瞳
呟きは
白きいきだけ
くっきりと
「きれいね」が
赤ワインの甘苦い夜のベールをまといますように
朝の底
あさめのさらに
盛るスープ
好きな言葉はすぐ押し葉にして
次に本を開く日のしおりにする
多角体かと思えば
平面がが重なっただけの
世界のわたし
愛してる
一秒未満に
永遠を
そこにある
それだけでいい
本当に欲しいものは
触れられなくていい
そこにある
それで良かった
心から望むものは眺めるだけで
本当に欲しいものは
たぶんあの空みたいなただそこにあるもの
伸ばした手
凍らすよるのそらがすき
雨空にこころをぽんとほうりたい
■2020年12月
きれいがきれいの音のまま
手わたせる心の持ち主でいたかった
正解か不正解かなんて
幸せか不幸せか測るような無意味
三日月の
おかえりを聴く
ベランダで
■2021年1月
きれいな耳鳴りきいんと遠のく
電話越しの声で恋だったのかと
初めて気づく十年ぶり
水やりも日除けもせずに放る恋
燃えかすを燃えないごみに紛れさす
かじかむ手
軋む骨と硬い息
熱を求めてうねるは海鳴り
にんぎょひめ
うすあおのひれひらひらと
夕暮れの梅の香りこぼして
わたくしはどなたのものでもありません
■2021年2月
友達でいたいとわかった
手の温度
わたしはわたしは
止まる声意思反抗心
木枯らしが
叫ぶばかりで
どこにもいない
■2021年3月
他人事を自分事と見なし
磨り減らし生く
ひとに射す朝の光
他人事を自分事と置き換えて
悲しみ生きるひとの横顔
はるの朝
しろき光に射ぬかれる
虚ろなわたしのからだの中身
暗き夜
猫の影の尾横切りて
足音忍ばす
我ほくそえむ
ささくれたかぼちゃの皮の
深みどり黄みどり黄いろの
グラデーション
■2021年4月
ジャズばかり流れる今夜は
きっと泣けそうそんな気がした
■2021年7月
沈みゆく
心と身体
梅雨の底
4時前の明るさ静けさ銀河の果て
伝えても秘めても変わらぬ情の色
肌寒い梅雨の日のしずく頬伝う
窓辺にて物思い更けるふりをして丸めた紙屑投げつける
やり場のない
怒り虚しさ
失望あきらめ
みてみぬふりをするなよ
磨かれて揉まれ削られ消えてゆく
宝石も心も命も何もかも
浮かばない、思いつかない、動けない
雷雨の音のみ
骨にこだまする
■2021年9月
雨音に
耳をそばだて
洗濯す
五月雨に
晴れ間に気持ちが
定まらぬ
雨の中カフェに繰り出し回す傘
ドア開けて
期待袈裟斬る
通り雨
橙のコスモス揺れるじきに夜
今日はだめな日だからコーヒーをおかわり
■2021年10月初め
秋口に
横切る台風
残暑の尾
***
次ページはあとがきになります。
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