第3話 ギャップ

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すると、 「岩井さん、友達が来ているよ〜」 和馬が、教えてくれた。 「あ。うん。」 夏鈴は席を立ち、ドアの方に向かった。 「鈴羽〜!どうしたの?」 「夏鈴!体操服貸してくれない?忘れちゃって。」 「いいよー、全然貸すよ〜!」 「ありがとう!夏鈴神様」 「神様はやめて〜。」 「えー、じゃあ恩師!」 「いや、恩師もやめて〜。普通でいいよ!」 「普通でいいの〜?面白くないじゃん。」 「いや、ここは面白くなくて良いよ〜。」 「そう?まぁとりあえず、ありがとう!また、洗って返すね〜!」 「全然!体育頑張ってね〜。」 夏鈴は、鈴羽と話が終わり、席に戻った。 一方の和馬は、その様子をずっと見ていた。 (僕らと鈴羽さんへの接し方が違うな。ギャップが凄い。) (僕らの前でもあんな感じだったら、今の状況も変わるかもな〜。) 「夏鈴さ〜ん!今日宿題なかったっけ?」 和真は、そう言いながら夏鈴の席の隣に来た。 「あ、、。ないと思います。」 「了解!教えてくれてありがとう!」 (ん?よく考えたら、なんで私に聞いたんだろう?他にも聞く友達いたと思うのに。) 「キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン」 1限目数学Ⅰの授業が始まった。 「プリント配るので、一枚とって後ろに回してください。」 夏鈴は、席が1番後ろなので回ってくるのを待つだけだ。 (あ〜あ。回ってきたけど、プリント破れてるしぐちゃぐちゃ。高校でも続くのか。) 「今から、5分時間とるのでプリントの問題を解いてください。」 5分後、先生が 「5分経ちました。隣の人と交換して答え合わせします。」 と言った。 夏鈴は、隣の席の惣歟にプリントを渡した。 「1番 y=2(x−4)+5」・・・ 答え合わせが終わり、プリントを返して貰った。 すると、プリントにはバツだらけだった。 プリントの右上には0の数字が書かれていた。 (え〜。合っているはずなのに。) 困っている夏鈴の横で 「岩井夏鈴0点だってよ。何にも出来ないんだな。本当に岩石だわ」と笑いながら言う惣歟。 クラスは、騒がしくなり至るところから笑い声が聞こえる。 すると、惣歟は 「岩石、プリント貸して。」と言われた。 直してくれるんだと思った夏鈴は、ためらいもなくプリントを渡した。 「なぁ、見ろよ。本当に0点だろ?」 「うぁ。ガチで0点だ。こんな答案破ってよくね?」 「破っちゃう?」 そう言った惣歟は、夏鈴の答案を破った。 「はい。プリント」 破られたプリントを渡された夏鈴。 (破られた、、、。) その1限目から、いじめがエスカレートしていった。 その日の夕方、夏鈴は母の八千代にいじめの事を話そうとした。 「お母さん。」 「どうしたの?夏鈴。」 「えっと・・・。今日の夜ご飯は何?」 「今日は、ハンバーグよ。」 「分かった。ありがとう。」 お母さんに、心配をかけたくないという思いから、いじめに遭っているという事は言わなかった。 夜、寒気がした為、熱を測ると38.0℃あった。 食欲もなく、ハンバーグは食べれなかった。 次の日も、微熱があったので学校は休む事に。
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