41人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
第4話 新たな問題
放課後、3人は校門で待ち合わせをした後、夏鈴の家に向かった。
「鈴羽さんって、夏鈴さんの家知ってるの?」
和馬が聞いた。
「あー。うん。小学生の頃から、よく遊びに行ってたから分かるよ。最近は、部活とかで忙しくて、遊びに行けてなかったから久しぶりかな!」
「行ったのいつが最後?」
「えーっと。中2の秋ぐらい」
「結構行ってないね」
「うん。」
話しているうちに、目的地の夏鈴の家に着いた。
「あ〜!ここだ」
「おー。家でかっ!」
和真と晴樹は、声を合わせて言った。
「ふふっ。2人とも仲いいね!」
「一応、幼稚園の頃からの幼なじみだからな。」
「一応って。幼なじみいるだけでも、凄いと思うよ。」
「そう?お互いの事よく分かるからいいっちゃいいけど、すぐ喧嘩になるし。」
「私は、そういう幼なじみがいないから羨ましいなぁ。」
「えっ?夏鈴さんは、幼なじみじゃないの?」
和馬は、目を見開いて言った。
「俺もてっきり幼なじみだと思ってた。」
晴樹も続けて言った。
「夏鈴と初めて会ったのは、小学校3年生の頃かな。私、その当時引っ越してきたばかりで、友達が1人もいなくて学校に行くのも憂鬱だったんだよね。」
「ちなみに何だけど、どこから引っ越してきた?」
「青森から引っ越してきたよ。でもそっちの方ね、方言が凄いじゃん。」
「うん。結構なまっているよね。」
「その方言が普通だと思ってたから、いつも通り自己紹介したら笑われて。自己紹介して落ち込んでた時に、その方言いいねって話しかけてくれたのが夏鈴だったの。」
「幼い頃から優しかったんや。」
微笑みながら和馬は言った。
「それに、その方言好きって言ってくれてすぐに仲良くなれた。あれがなかったら出会わなかったんだろうなって、今になって思う。だから、2人が出会えたのも奇跡なんだよ。」
「うぁ。めっちゃいい言葉。晴樹、これからも仲良くしてな!」
「なんや。あらたまって。まぁ、これからもよろしく」
「ふたりのそういうとこ好き!てか、早くインターホン押そ。こんなとこで話していたらダメじゃん。」
「あー。早くしないとな。一瞬、何しにきたか忘れてた。」
「忘れちゃダメだよ。誰が押す〜?」
鈴羽が言った。
少し沈黙が続いたあと、
「そこは、鈴羽ちゃんでしょ。」
と晴樹が言った。
「ん!それじゃあ、私が押すね!」
「押すのよろしく〜。」
「はーい。」
そして鈴羽は、インターホンを鳴らした。
「ピーンポーン」
「はい。どなたですか?」
「あっ。金井鈴羽です。夏鈴ちゃんいますか?」
「夏鈴の友達ね!今からドアの鍵開けるから少し待っててね。」
「はい!」
「さっき出た人は、夏鈴のお母さん?」
晴樹が鈴羽に聞いた。
「うん。多分そうだと思うよ。」
そう話しているうちに、ドアの鍵を開ける音がした。
「こんにちは〜。どうぞ上がって。」
夏鈴のお母さんが言いながら門を開けた。
「あ、ありがとうございます!お邪魔します。」
「お邪魔します。」
「お邪魔しま〜す!」
鈴羽、和馬、晴樹の順で言って中に入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!