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20200704_橋

　私の前に橋がある。だが後ろにはない。そんなアホなことを考えながら一歩を踏み出す。橋と言ってもそんな立派なものではない。数メートル程だ。しかしないと困る。この橋を渡らないと買い物も図書館も行けない。大事な橋だ。
　とはいえ普段から橋を気にしたりはしていない。必要があれば渡り、そうでなければ素通りする。もしかしたら私の見ていない間に少し移動しているかもしれないが気付きもしない。そのうちあまりの扱いにて怒ってどこかへ行ってしまうかもしれない。誠意を示すべし、されば我は戻らん。なんて言われたらどうしようか。月一でお供え物でもすればいいのか。そう考えるころには橋は既にはるか後方だ。
　そういうものなのだ。