111人が本棚に入れています
本棚に追加
「王子の時は止まりますが、王子のお名前の“野茨”が王子を守るでしょう。
そして、王子が恋に落ちた相手が王子に本物の愛を伝えると再び王子の時は進み始めます」
彼女が外した指輪が跡形もなく消えてしまった。
力を使い果たした紅玉は「私の力ではこれが限界です。他の魔法使いの力をお借りして、王子が愛を得られるようにしてくださいませ」と言って倒れてしまいました。
王様は愛する我が子に呪いをかけられたことを知って彼を八つ裂きにしてやりたかったのですが、思いとどまった。
今度こそ王子が、この国がどうなってしまうのか分からなかったからだ。
夜露という疫病神をどうしたらいいのか、この国のの誰にも分からなかった。
誕生祝のために、対価を持ってきていた魔法使い達が、彼が愛されるための祝福をしたが、いつか来てしまう呪いの時にそれが役に立つのか誰にも分からなかった。
パーティーはそこで中止になってしまった。
夜露は、大臣達で話し合って、城のはずれにある塔に幽閉される事になった。
目覚めた紅玉が最後まで反対していたが、夜露にはもうそれはどうでもいい事だった。
何もかもどうでもいいことだった。
自分が嫌われ者だという事も、きちんと知っていた。
ただ静かに一人で一生を終えたかった。
最初のコメントを投稿しよう!