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何万色の想いをその掌を筆代わりに
描こうとするだろう
忘れられてもいい
幾度塗り替えられてもいい
その度に新しい想いを
その掌に宿して描き続けろ
腐りきった脳漿を撒き散らかしたかのような
掬えない 救いようのない人生を歩み
散々周囲にべたべたと自己を押し付け歩いたあの日々は 洗い流されることなど
叶えられはしないまま
ぐちゃりぐちゃりと踏みつけられて
かろうじて残した形すら保てぬまま
誰の記憶にも生きていやしない
絶望の淵に佇む死神の顔にへばりついた
戯けた笑みに向けた中指が虚空を穿ち
気付けば己の心臓に喰らいつく
それさえも 仕組まれたことだと
仕組んだのは自分ということにさえ
気付けず
心を持って生まれ落ちた苦しみに
抗う術はないと頭ではわかっているのに
考えることを耐えることを拒絶した日々
混ざり合わない絵の具をそこらじゅうに
ぶちまけて望んではいない色に変えられ
仕方なく勝手に色を塗ったのはおまえだ
あれこれ言い訳並べて自己防衛ですか
被害者面して泣き顔晒して何がしたいの?
挙げ句の果てには愛して欲しい?
その口縫ってやろうか
「そんなことは言ってない!」
知らぬ存ぜぬ貫き通す?
無理無理
その卑屈な面に全て描かれているさ
荒唐無稽 駄作の様に
害でしかない絵画の様に
人間は神の作品なのです
それはすごいね
成功したのはナンパーセント?
人間は神の作品なのです
それはすごいね
どれだけゴミを作れば気が済むの?
人間は神の作品なのです
それはすごいね
お前こそ人間に創られた存在だろがい
人間は神の・・・
はいはい もういいよ
この宇宙に住み続けたいなら
いち生物としておとなしく生きなさないな
くだらない
心も軀も ゴミでしかない
そんな存在でしかない
それでも どうしようもなく抗うのだろう
人に逆らい神に唾吐き
この宇宙をキャンバスにして
何万色の想いをその掌を筆代わりに
描こうとするだろう
忘れられてもいい
幾度塗り替えられてもいい
その度に新しい想いを
その掌に宿して描き続ける
無限に拡がるどでかいキャンバスだ
何を描いてもいい
間違ったら他の場所に描き直せばいい
それだけのことだ
絶望の淵に佇む死神の顔にへばりついた
戯けた笑みに向けた中指と
もう一本の指で顕す未来への決意は
虚空を穿ち宙を割った
ガラスのように舞い落ちる破片
猛スピードで拡がる絵の具
世界が変わってゆくのがわかる
見ろよ
神様ってやつが慌てふためいてやがる
神様ってやつが羨ましそうにしてやがる
あんたも変わりたいかい?
変われるさ 何度でも
何度間違っても 必ず
だから
何万色の想いを その掌を筆代わりに
描き続けることをやめない
忘れられてもいい
幾度塗り替えられてもいい
その度に新しい想いを
この掌に宿して描き続ける
そして
たった一つ変わらぬ想いを胸に秘め
この掌に宿して描き続けよう
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