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第一幕 その1 作者=よしけん
こちらは『源頼光-RE;birth-』のパラレルワールドとしての世界。
キーンコーンカーンコーン。
この世界の主人公とメインキャラクターが通う皇星中学・高等学校の校舎に放課後のチャイムが鳴り響いた。
放課後と言っても、今日は期末テストの最終日。当然、授業はなく、午前で全てが切り上げられた。
テストを回収した教師が教室から出るや否や、クラスメート達はわいわいがやがやと騒ぎ始める。
「あ~終わった終わった~」
「どうだー、自信あるかー?」
「嫌、俺、全然だわ」
「マジか?俺は普通だな」
そんなテストに対する感想が飛び交う中、この作品世界の主人公、窓際の席に座るソフト・モヒカンヘアの、そこそこ端正な顔立ちの十六歳の少年、源頼光はう~んと、伸びをした。
あ~、終わった終わった・・・終わった・・・
何に終わったのか。それは察してほしい。
と、そこへ。
「失礼します」
凛とした声が響いた。
見ると、教室に二人の後輩が顔を覗かせていた。
一人はボブ・ショートヘアでロリータフェイスの美少女だ。黒のブレザーに中学三年生のしるしとなる赤いリボンをつけている。この作品のメインヒロイン、渡辺綱だ。
もう一人はスポーツ刈りにメガネをかけた、頼光と同じ七つ星の詰襟の制服をダボツキながら着用した中学一年生の後輩、藤原保昌だ。
「あ、綱ちゃん、保昌君」
頼光は自分に近づいて来る二人の後輩に気づくと、苦笑いの表情を浮かべた。
「どうでしたか?テスト」
その言葉に頼光は、
「あははは・・・オワった・・・」
と、がっくり肩を落とした。
それに綱ははぁ、とため息をついた。
「だから言ったじゃないですか。私の言うとおり、勉強しないから」
そうなのだ、この三人はそれぞれ親戚同士で、綱と保昌は頼光の家に居候している。そして、三人でテスト勉強をしたのだが・・・彼、頼光はあまりに勉強がわからなすぎて途中で投げ出し、ゲームに逃げたのだ。綱は再三注意したのだが、全く耳を貸さず、遂に――こうなった。
「だってぇ・・・」
「だっても糸瓜もありません。さ、帰ったら一緒に答え合わせですよ」
「え~。やっと終わったのに~?」
「当たり前です!」
と、ここで窓の外に視線を向けた頼光がその"異変”に気づいた。
「・・・どうかしましたか?」
綱が頼光に続いて外を見て――言葉を失った。
頼光が呟く。
「――空が虹色に輝いている・・・」
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