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ある日、私は仕事を終えて病院を出てしばらく歩いていた。
月が綺麗な秋の夜。
思わず空を見上げたら…
何だか少し悲しくなった。
人恋しさも混ざったような…
そんな時、聞き覚えのある声で、後ろから誰かに呼び止められた。
すぐに振り返ったら、そこにいたのは七海先生だった。
初めて見た白衣じゃない私服姿の先生。
その存在感があまりにすごくて、そこだけが異次元の世界みたいに思えた。
キレイめな紺のチェスターコートが大人っぽくて…
誰もが認める最上級の眼鏡男子だ。
私服だと更に丸眼鏡が際立って、本当に素敵だ。
白川先生や歩夢君もかなりオシャレだけど、色気を感じさせる七海先生のこの独特な雰囲気には自然にドキドキさせられる。
『先生!お疲れ様です。今お帰りですか?』
『ああ。藍花ちゃんも終わりかな?』
穏やかでホッとするような優しい声だ。
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