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七海先生はみんなを下の名前で呼んでて、それが何だか嬉しい。
『はい。帰るところです』
『そっか。今日も1日お疲れ様。ねえ、藍花ちゃんお腹空いてない?』
『えっ、あっ、はい…空きました』
あまりに自然に話してくれるから、ついついそう答えてしまった。
『よし。じゃあ、何か食べに行こう』
突然の誘いに驚いた。
『えっ、そんなそんな。七海先生、お疲れでしょう』
『少し疲れたけど…藍花ちゃんと一緒に美味しいご飯を食べたら、すごく元気出そうだから』
え…?
それって褒め言葉…だよね?
そんな顔で微笑まれたら嘘でも嬉しくなってしまうよ。
だけど、こんな風に声掛けてくれるの、ちょっと七海先生らしくない気がする。
…って、私、あまり先生と親しく話したことなかったんだった。
本当の先生がどういう人なのか、正直、全然わからない。
私は勝手に自分の中に、七海先生は物静かでおとなしいっていうイメージをインプットさせてしまってたのかな?
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