3159人が本棚に入れています
本棚に追加
もしかして意外とフランクだったりするの?
『あっち、行こうか』
七海先生はそう言って、私の背中を優しく押して前に1歩踏み出させてくれた。
全身オシャレな先生に横に立たれて、私はどんな顔をすればいいの?
嫌だ…心臓が鳴り出してる。
白衣ももちろん素敵だけど、今はまた違った人にも思えて、まるでモデルさんと歩いてるの?って、錯覚してしまいそうになる。
『あの…先生はどうして私なんかに声をかけてくれたんですか?その、なんていうか…違う科の看護師に…』
急に歩みを止めて質問した私に、数歩前に出ていた七海先生も立ち止まった。
『ん?』
そして、ゆっくりと自分の肩越しに振り返り、私を見た。
その様子がまるでスローモーションみたいで、眼鏡の奥の流し目に、私は恐ろしい程の色気を感じてしまった。
『さっき言った通りだよ』
『えっ…えと…元気になるから…ですか?』
『そうだよ』
最初のコメントを投稿しよう!