もうひとつの別れ

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私がナースステーションに戻ったら歩夢君がいた。 『今日、仕事終わってから話せますか?』 『あ、うん、大丈夫だけど…どうしたの?』 『2人でちゃんと話すのは今日が最後です。あっ、もちろん病院を辞めるわけじゃないですよ。ただ…改まって話すのは…最後ってことです』 最後…って… でも、歩夢君とはあれから話してなかったし、蒼真さんとのことをちゃんと言おうと思った。 そして、夜になり、私は歩夢君と2人で話した。 病院を出て、駅に向かってゆっくりと歩く。 『ごめんね、歩きながらで』 『いえ、突然僕が声をかけてしまったので、すみません』 歩夢君には食事に誘われたけど… それは断った。 『私も話したかったから…散歩しながらゆっくり行きましょ』 『はい』 でもやっぱり…歩夢君と2人でいると安心する。 同僚、仲間、弟、友達… どれにでも思える。 だけど…
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