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『え?』
『僕はね、いつも藍花ちゃんの可愛い笑顔と、その優しい声に癒されてるんだ』
『そんな、可愛いなんてとんでもないです!』
そうだよ、こんなイケメンに可愛いなんて思われるわけない。
先生、からかってるんだよね。
でも次の瞬間、七海先生は慌てて否定する私の髪に触れた。
そして、私の目をじっと見つめながら、
『可愛いよ、すごく。もしかして自分で気づいてないの?』
って、ものすごく甘い声で言った。
「キュン!」っていう音が漏れ出したんじゃないかっていうくらい、胸の辺りが変だった。
私は、そのあまりにも近過ぎる距離に思わずのけぞり、
『お世辞は辞めて下さい。か、可愛い人なんて病院にはたくさんいます。特に産婦人科の看護師さんは可愛い人が多いじゃないですか。みんなそう言ってますよ』
必死で話の的をずらそうとした。
『そうかな…僕の中での可愛い女性の定義に当てはまるのは…藍花ちゃんなんだけど』
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