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『…蒼真さんとの子ども…あ、赤ちゃんがお腹にいます』
『…』
やっぱり、驚くよね…
『…でも、もし私と赤ちゃんが重荷なら、私は身を引きますから。蒼真さんには外科医という大切なお仕事がありますから…』
思わずそんなとこを言ってしまった。
私の本心ではないセリフを。
『藍花…』
蒼真さんは、ソファに座り半分泣きそうな私の両方の肩に優しく手を置いて…
『ありがとう。すごく嬉しい。本当に…嬉しい』
えっ…
嘘?
蒼真さん、泣いてる?
下を向いた瞳から雫が1粒こぼれ落ちた。
『本当に…喜んでくれるんですか?』
『当たり前だろ。喜ばない理由なんて何一つない。いつか…こうなることを願ってたのかも知れない』
蒼真さん…
その優しい答えに肩の力が一気に抜けた。
『…良かった…です。嬉しいです』
私も、涙が…溢れた。
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