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エアポートから飛び立つ飛行機を見送る。
だんだん小さくなるそれを見上げながら、一足先にアメリカに旅立った蒼真さんのことを想った。
『体に気をつけて、頑張って…』
蒼真さんが側にいなくなるのは少し不安だったけど、でも…もうすぐ蒼太が小学校を卒業するから、そしたら2人ですぐにアメリカに行こうと決めていた。
「俺はしっかり向こうの病院で外科医として修行するつもりだ。世界で通用する最高の技術を身につけたい。俺はお前達に恥じないよう、蒼太にとっては立派な父親として、藍花にとっては…良き夫として生きていく」
出発前に私に言ってくれたその言葉。
私は、感極まって涙が溢れて止まらなかった。
少しの間でも離れてしまう寂しさと、新しい場所での活躍を応援する思いと…私達への深い愛情に対する感謝が入り交じった、なんとも言えない気持ちだった。
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