3159人が本棚に入れています
本棚に追加
言いにくそうにしてると、
『まあいい、歩くぞ』
白川先生は、そう言って黙って歩き出した。
私はとても横には並べなくて、少し下がって着いていった。
でも…
先生、いつもと歩幅が違う?
病院ではスタスタと足早に患者さんのところに行くから、私は着いていくのに必死でつい小走りになってしまう。
なのに、今日は私に合わせてくれてるの?
そんな…まさかね。
『ここでテイクアウトしよう』
『あ、ハンバーガーですか?』
『嫌いか?』
『いえ、好きです。でも…これ、どこかで食べるんですか?』
『いいところがある』
白川先生と私が一緒にこれを食べるの?
本当に?
嘘みたいなんだけど…
とにかく私達はハンバーガーを買って、また歩き出した。
『ここ』
先生が足を止めたのは、病院から歩いて7分くらいの場所。
そこは、幅はあるけど浅めの川が流れ、その両側が川原になっている。
土手を降りて、私達は広いスペースにあるベンチに腰掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!