あなたの魅力に気づく月の夜

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『ちょっと…強引過ぎませんか?私…白川先生の家族でも彼女でもないんですよ。だいたい私なんかに「蒼真」なんて呼ばれて嬉しいわけないですよね?』 そう言ったら、なぜか先生はニヤリと笑った。 『やっと言った。それでいい。これから先、必ず蒼真と呼ぶんだ。業務命令だから取り消せない』 『ぎょ、業務命令って…先生、意地悪です』 『そうか?なら、もっと意地悪しようか?』 『嫌です!』 『だろ?なら素直に呼べばいい』 白川先生は、ようやくハンバーガーを食べ始めた。 先生のこの発言の意味、これ以上は怖くて聞けない。 だって嘘をついてるだけで、本当は彼女がいるかも知れないし、からかってるのかも知れないし、どう考えても白川先生が私に好意を持ってるとは思えないから。 あんなに注意ばっかりされてたのに何なんだろ?って思うけど、でも… これからは「蒼真」って呼ぶしかないのかな。 意地悪されたら…嫌だし。
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