一緒に働く仲間と私

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『患者さんが不安になるから、もう少し笑顔でいろ。前田さんは特に今不安な時期なんだ』 『あ、はい。すみません、気をつけます』 腰を90度に曲げて謝る。 実は私、たまにこうやって注意されるせいか、白川先生は少し怖い存在で。 普段はニコニコ出来るのに、白川先生が隣にいると急に萎縮してしまって… 私が悪いんだし、早く慣れなきゃいけないのに。 『先輩からもっとしっかり学ぶんだ』 『はい…本当にすみません』 『どんなことがあっても、患者さんのことを1番に考えろ。お前の気持ちを患者さんに押し付けるな。誰が1番つらいのか。手術して自分の病気と必死に向き合ってる人の気持ちを想像するんだ。その心を癒せるのは御家族と俺達しかいない』 『…はい』 本当にその通りだ。 何も間違ってない。 白川先生が怖いとか、そんなこと…患者さんには全く関係ないのに。
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