第2話

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李音に即されて、牡丹は車に乗り込んだ。続いて、李音が牡丹の隣に座り、運転手と護衛の男が前の席に座る。車が発進して、それからしばらく。牡丹は車窓を流れる風景を、まるで絵本でも見るかのような気持ちで眺めていた。ビル街を抜けて、徐々に移りゆく景色は枯れ葉色に染まる。その様を見守り続ける間、車内では、李音と運転手の声だけが静かに響いていた。牡丹は目を閉じる。 目の前に広がる光景が暗転すると、暗闇の底から這い出てくる手に足を引っ張られ、意識をまるごと鎮めた。 「ぼたんちゃーん」 ふいに声がかけられて、目を覚ます。窓の外へ視線を流すとすでに風景は止まっていた。いつのまにか眠ってしまったらしい。ここ最近は寝不足が多いから、限界を超えて眠ってしまったのだろう。
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