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第19話「雪と★」
雪と蘭丸が喧嘩していた部屋の隣の部屋。
襖を開ければすぐの衣装部屋で、姿見に自分の体を映している雪がいた。
上半身は裸で、短袴のみ履いていた。
鏡に映し出された15歳の体は、鎖骨は綺麗に浮き出て、華奢な体つきだった。
それでも、腹筋は割れている。
胸も鍛えたような厚みを帯び始めていた。
腕や脚はまだ細いと感じるものの、筋肉はつき始めている。
成長しつつある自分の姿を、鏡で見つめていると、その後ろに信長が映りこんだ。
「信長様。雪、いつの間にか、こんなに筋肉がついちゃった」
信長に振り向き、見上げながら、困ったように笑った。
「可愛くないですよね?」
「そんなことないぞ。綺麗な肉体でとても魅力的だ」
信長は後ろから抱き締めるように体を密着させると、腹筋を優しくなでた。
蘭丸とは違い、厚みと硬さを感じる。
「この筋肉は俺を守るためのものだろう。それほど、愛しいものはない」
ちゅっと耳にキスをする。
背が伸び、筋肉がつきはじめ、青年へと成長しつつある体をも、信長は軽々持ち上げる。
隣の部屋に移動すると、そのまま、やさしく布団の上に寝かした。
露になる腹筋に口づけをする。
固さのある太ももにも、胸も。手をとり、指にも口づけをした。
その顔を雪はうっとりと眺めていた。
優しく、大きな手が雪の頬を撫でる。
「雪、あのブサイク男に散々触らせて、すまなかった」
「いいえ。信長様。信長様のお役に立てて光栄です。こうして、信長様に愛していただけるなら、雪は汚い仕事なんて、いくらでもいたします」
「さすが、俺の雪だ。俺は幸せ者だな」
「本当は、侠玄も雪が毒殺して、全て寝返らせて、信長様にわざわざ、お越しいただかないようにしたかったんですけど、失敗です」
信長の手が優しく短袴の紐をほどく。
「でもやはり、総大将の布団にはなかなか潜り込めなかったです。見張ってるものが多くて」
ちゅっと信長の唇が優しく雪の額に触れる。
「もう反省会は終わりだ」
「はい」
雪がうっとりとした顔で答える。
雪の全身を這いまわっていた手が一度離れた。
「く、ぅん……」
丁子油をつけた指が、雪の中へと入る。
「ん……」
「やはり、しばらく触れていなかったのか。ずいぶんとキツくなったな」
「は、はい……。信長様を、思い出す夜も、触らずに、我慢しました、んぁ……」
「こっちはどうだった?」
「あっ!」
反対の手で、ガチガチに硬くなっていた雪のものを握った。
「あ、そ、そっちもさわりませんでしたっ、あぁ……」
「そうか。それは苦しかったな」
雪は両手を信長に伸ばした。
「はい。ですから、信長様、雪のこと、めちゃくちゃにしてください」
「そんな煽るな。我慢できん」
「早く入れて!」
「わかった」
ろくにほぐしもしないまま、雪の狭い穴を無理矢理こじ開け、中に突き入れた。
「うっ、んぁぁああああ……!」
「大丈夫か?」
「のぶながさまだぁ……!」
うっとりと目を細め、自分の中に入ってくる存在を確かめる。
「雪、可愛いなぁ、雪」
雪は信長の首に両腕をきつく絡めた。
「はぁ、幸せ。雪、幸せでございます」
「俺もだ」
「ん、あっ、もっと!もっと!」
中で刺激する快感に、アソコとぎゅううと締め付ける。
「まったく。甘えんぼだな、雪は」
信長は入れたまま、雪を抱き起こした。
自分の体重でずぷぷと奥へと入っていく。
「あぁっ、ふか……い……!」
信長の着物を鷲掴み、快楽に必死に耐えながらも、腰をゆらゆら揺らし、雪は自分のものの先っぽを、信長の腹にこすりつけた。
だらだら垂れる透明な液体が、腹を汚す。
その光景に信長は満足そうに笑う。
「ふっ」
雪の体も持ち上げ、そのまま立ち上がった。
「ひゃっ!」
「しっかり、つかまっていろ」
小さなお尻を指が食い込むほど強く掴み、激しく雪の中へと腰を打ちつける。
「やんっ!やぁぁああああ!!」
ぱんぱんぱんと肌と肌のぶつかり合う音と、雪のあえぎ声が響いた。
華奢な体の指先、足先、頭の中、隅々までぶつけられる衝撃が響く。
「やっ!あぁっ!あんっ!んああああああああああっ!」
ぴゅうっと白い液体が飛び散り、自分の腹と信長の腹を汚した。
「はぁ……はぁ……」
荒い呼吸の雪を、そっと布団に寝かせる。
「ん……」
ゆっくり穴から抜くと、白い体液がどろりと流れ出た。
雪が笑った。
「……あー、気持ちよかった」
両腕を伸ばし、雪の目がきらりと光った。
「信長さまぁ、もう一度いたしましょ」
「ふぁぁぁ……」
翌日、蘭丸があくびをしながら、城下町を歩いていた。
(結局ぐだぐだ過ごしちゃった……今日はお休みの日だから何しよっかなぁ)
とりあえず、城の自分の部屋に戻ろうと歩いていると、馬を引き、町の外へ向かう雪が目に入った。
「姉上!」
「あぁ、蘭丸。おはよ」
蘭丸に気づくと、立ち止まり、笑顔を向けた。
今日は花柄の着物に、藍色の袴姿だった。
「おはようございます!姉上、もう行くんですか?」
「行くっていっても、家康殿のとこに手紙届けに行くだけだよ。明後日には戻るよ」
「そうですか……」
寂しそうに視線を落とすと、雪がにこにこしたまま笑っていた。
「あれ?寂しいの?蘭丸は、私のこと嫌いになっちゃったんだと思った」
「なっ、なってません!そりゃ、姉上の方が活躍して、信長様取られちゃったみたいで……嫉妬、しましたけど」
「はいはい。蘭丸は可愛いね。帰ったら、一緒に遊ぼうね」
雪は優しく蘭丸の頭を撫でた。
実家でよくやってもらっていたのを思い出す。
「はい。行ってらっしゃいませ。お気をつけて」
兄を見送ると、蘭丸はしゃきっと背筋を伸ばした。
「よし、鍛錬しよ!」
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