無邪気な気持ちと感動

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 小説を書いていて、登場人物が無邪気な気持をふと見せると、感動することがある。  ビジネスや戦いなど、他者との競争や騙し合いを描いた裏側に心情が生まれて、表にでてくるときにそのような場面が描かれる。  感動とは共感が生むものである。  何らかの理想や安心感に自分の経験や思い出などを重ねるのだと思う。  その場面は狙ってできあがるものではない。  作者は、 「どうもうまくいかないな」  と思いながら、丸一日くらい考えて筋が見えるものらしい。  物語の良し悪しはそんな感動の場面をどう設定できるかにかかっている。  個人的には、 「人それぞれに感じ取って欲しい」  と思っていては、うまくいかないと思う。  人間の偽りのない気持が垣間見える、という場面を流れの中に見いだすのは偶然でもある。  あまり無邪気過ぎても面白くない。  社会生活を送るために、我慢していることや、取り繕っていることがちょっとズレていく感じである。
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