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夜空にポッカリと浮かぶ月に、未来を祈った。
薔薇色に染まる未来。
愛する人と、ブランコのある庭で笑顔溢れる生活を送る未来。夜には、空一面の星空を見上げて、この先ふたりで歩む未来を語り合いながら。あなたは私の肩を抱き、私はあなたの肩に頭を預け。
かつて世間に溢れていた国民的ヒット曲が、脳内に流れる。
その度に、わたしは過去のわたしが思い描いていた未来の今を思い、そしてまた未来に思いを馳せる。
過去のわたしに、あなたはいなかった。
でも、今のわたしには、あなたがいる。
未来。
またこうして、あなたと星空を見上げていられる未来であって欲しい。
好きだよ。と、素直になれないわたしに、いつも寂しそうにするあなた。
いつも足元が定まらずにコケそうになるわたしに、優しく手を差し伸べてくれたあなたは、ずっと、わたしとこうして手を繋ぎ続けてくれているだろうか。
過去には知らなかった未来。
10年前を振り返り、10年後の今を見て、そしてこの先の10年後を想像してみる。
わたしを待っていたのはあなたで、あなたに気づいていなかった10年前のわたしが見ていたのは、あなたのいない未来だった。
今はまだ、過去に見ていたわたしには出会っていなくって、これから来る未来では会えるでしょうか。
まだ出会えていない、過去に見ていた未来のわたしに。
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