52私は幸せですよ

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「電話の件はひとまず置いておきましょう。話は長くなりそうですから、ひとまずお茶を入れますね」  このまま彼女たちに怯えられたままでは話ができない。いったん、互いに落ち着く時間を作ろうと席を立つ。キッチンに向かう私に二人は声をかけることはなかった。 「お待たせしました」  冷蔵庫から麦茶を取り出し、グラスに注いでいく。人数分用意して、お盆に載せてジャスミンたちのもとに向かう。お茶だけでは寂しいと思ったので、一口サイズの包装がされたチョコレートも一緒に載せる。 「ありがとう」 「ありがとうございます」  少し落ち着いたのか、二人はお礼を言って麦茶に口をつける。私も彼女たちの対面のソファに座り、同じように麦茶を飲む。 「話は変わりますけど、ジャスミンたちに送られてきた謎の手紙のことなんですけど、聞いてもいいですか?」 「さ。佐藤さん。蒼紗さんに話しちゃったんですか?あれほど秘密にしようと言っていたのに」 「仕方ないでしょ。どうせ、蒼紗に隠し事なんてできやしないんだし」 「それもそうですけど……」 「謎の手紙についてはジャスミンが話してくれました。その件ですが、犯人が何者かわかりました。彼女はもう、あなたたちに、今回のようないたずらを仕掛けることはないので安心してください」  こそこそと二人が話しているが。気にせず話を続ける。私は彼女たちに嫌がらせをしているのが彼らだと思っていたが、それは間違いだった。とりあえず、今後はこのようないたずらがなくなることを伝えておきたかった。 「ご丁寧に教えてくれてありがたいけど、いったい何者が私たちにあんな変な手紙を送ってきたの?私が犯人のもとに乗り込んで、お灸をすえたかったんだけど……」 「それには及びません。もう、彼女にいたずらはできませんから」
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