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「てめーは犯罪者の一員なんだよ。何のこのこ学校に来てんだよ! 」
翔は海斗の髪の毛を掴んでアスファルトに顔を押し付ける。海斗は顔を歪めながら声を押し殺す。
アスファルトのでこぼことしたザラつきと、無数に広がる小石が苦痛を伴いながら肌に滲み込む。
「そうだ。翔! こいつが一緒にいる女、馬鹿なんだってよ。背が高くて見た目は大人なのに計算もろくに出来なくて、何か自分の事あかりとか呼んで買い物も1人で出来ないらしいぜ」
「あー? 何だその馬鹿女。いかれてんのか? 」
翔が海斗の背中に足を置いたまま、颯太の言葉に眉を顰め腕を組む。
「あかりを馬鹿にするな! あかりは馬鹿なんかじゃない! 」
海斗はアスファルトに置いた手に力を込めて顔を上げ、2人の言葉に声を荒げる。
「あー? 何だてめー。何偉そうに言ってんだよ! 」
翔は海斗の言葉に苛立ちを表す。顔を引き攣らせ、海斗の脇腹を蹴り飛ばす。
「いっ……ごほっ。やめっ……ごほっごほ」
海斗は体を丸め蹴られた反動で咳き込む。
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