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「……おとうさ……ん。あっ……」
体に這われていく舌の感覚に耐えきれず、あかりは逃げる様に千尋の胸の辺りを両手で押さえ付ける。
「なに? 」
体に熱を持ち始めた千尋は、あかりを押さえ付ける腕の力を緩めずに息を吐くように尋ねる。
「……何か……体が……変……」
目を湿らせて、あかりが千尋の顔を見上げる。泣き出しそうなあかりの顔は頬を赤らめる。
「変ってなに? 嫌なの? 」
千尋は顎を上げ、あかりを見下ろす。千尋はあかりに覆い被さっていた上半身を起こして、右手で自分の乱れた髪を後ろに流す。寝そべったあかりの上に馬乗りになったまま、千尋はあかりの腕を押さえ付けていた左手も離し自分の膝の上に置く。
「……嫌じゃない……体のずっと奥の方から熱くなって何かくすぐったいって言うか、何かじっとしていられないって言うか……」
あかりは口元に手を添えて指先を何度も握りしめる。千尋の顔を見上げて、戸惑いながら唇を噛み締める。
「……それで? 俺に触って欲しいの? もっとここで舐めて欲しいの? 」
千尋はあかりの口元を隠す手を取って、口を開いて舌をべろりと出す。千尋は自分の舌にあかりの指先を押し付ける。
「ここで……優しく……全身を……舐めて欲しいんだろ? 」
千尋はあかりの人差し指を舌で糸を引くように舐めていく。指先からゆっくりと舌を付け根まで下ろしていく。指の付け根まで舌がたどり着くと、千尋の舌は硬さを増して指の付け根に絡めていく。
「ん……」
あかりが顔を横に向けて、指先をギュッと握る。
千尋はすぐにまたあかりの人差し指を手で広げ、付け根から指先に舌を這わせ舌をねっとりと絡めていく。
視線は鋭いまま、呼吸は早まる。
千尋はあかりの体が自分の舌に反応し乱れて行く姿に、興奮が抑えきれなくなっていた。
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