守りたいもの

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千尋はあかりの上に馬乗りになったまま、あかりのシャツの裾の中に手を入れていく。 あかりの指先を口に含んだまま、残った手であかりの肌に触れていく。 体温はのぼせてしまいそうなほど高く、指先からあかりの体温が千尋の体を侵食していく。 「……あっ。んっ」 体をよじらせて、あかりが千尋の顔を見上げる。 千尋が擦り切れてしまいそうなほど、強く唇を噛み締める。 千尋が目を閉じて大きく息を吸い込み、吐き出す。 あかりの腕を掴んで千尋はあかりを起き上がらせ、抱き寄せる。 あかりの背中に手を回し頭を抱え込んで、千尋はあかりの肩に顔を乗せる。 「……悪い……ちょっと……やり過ぎた」 千尋はあかりの肩に顔を乗せたまま、何度も大きく深呼吸をする。あかりが呼吸を整えながら千尋の背中に手を回す。 子供をあやすように、とんとんと千尋の背中を優しく撫でる。 「……お父さん。あかりね……ペンションのお手伝いもお皿洗いとか、お布団敷いたりとか、あんまりいっぱい出来ないけど、きちじぃとか真実ちゃんに褒めてもらえると凄く嬉しいの。それと同じくらい、お父さんにチューしてもらったり、優しく触れてもらうといろんな場所が熱くなって、うずうずして……でも嬉しいの。でもお父さんはいつも苦しそうな顔してる。あかりは……どうしたらいい? 」 あかりは千尋の体に腕も足もしがみ付いて、泣きそうな声で尋ねた。 千尋はあかりに体をくっ付けたまま顔を下に向けて、大きく溜息をこぼす。 「……俺も……どうしたら良いか分からずにいる」 「えっ? 」 「……いつからこんなに臆病になったんだかな」 千尋はあかりの体をまた強く抱きしめる。顔をあかりの髪に寄せて、目を閉じて大きく息を吐き出す。
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