守りたいもの

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「あっ……いや……んっ……あっ」 絶頂に向かい始めたあかりに逃げ道を作らせないように、胸の膨らみを揉みしだき、ねっとりと熱い熟れた場所を刺激する様に指を素早く出し入れする。 時折、中指の腹でざらざらとした柔らかな場所を撫でてやる。 全身を震わせて絶頂に達したあかりの中に、すかさず自分のモノを押し入れる。あかりの中はヒクヒクと本能を剥き出しにしたまま、最高の状態で男を受け入れる。快楽に自分を見失わないようにしながら、粘膜を擦り合わせる。全身に粟立つように鳥肌を感じながらも、あかりの中に自分を搾り取られないように理性を保つ。 あかりの唇に自分の唇を重ねる。優しいキスなんて出来ない。舌を激しく絡め、首元に噛み付く。 乳首を吸い付くように舌で舐め、あかりの喘いでいる姿を見ながら、さらに腰の動きを早めていく。 もうずっと遠い記憶。初めて会った日からたった数日間だけの体の触れ合い。 あの日のあかりが忘れられない。 「……千尋さん? 」 海辺で名前を呼ばれた日、記憶を失う前のあかりがいた。すぐに眠気に襲われて目を閉じたあかりが次に目を覚ました時には、また幼いあかりだった。 本来のあかりも、幼くなったあかりもどちらも愛している。それでも自分を父と呼ぶ幼いあかりを、抱く事が出来ずにいる。 今すぐ本能のままに、自分のモノをぶち込んでしまいたい。快楽に身を任せ、女の柔らかな肌に舌を這わせ、手に持て余すほどの肉感を感じ、爪を食い込ませ、自分の物なのだと全身を支配をしてしまいたい。 そしてまた臆病な自分を省察し、熱く硬くなった下半身を閉じ込めて、あかりに触れていた指先をきつく握りしめる。
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