迷惑をかけると言うこと

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「……対した罪に何なかったんだろ? 」 ぎこちない空気を切り裂く様に千尋が口火を切る。ライターを取り出してタバコに火を付ける。 「……うん。何かね……警察の人も事情を汲み取ってくれて起訴されずに済んだんだけど……さすがに学校には行けなくてね」 葉月は心配そうな海斗の顔を見て、すぐに視線を落とす。 「学校辞めて母ちゃんと2人でこの町出て行くのか? 」 千尋はタバコの煙を空に向かって吐き出す。 空は雲一つない青い空が気が遠くなるほど高くて、見上げると吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥りそうだった。澄んだ風が千尋のタバコの煙をすぐにさらって、余計な物などすぐに視界から消されていく。 「……分かんない。でも出ていくなら1人かな。お母さんはこの町に恋人も居るし、これ以上迷惑かけられないから。学校は……辞めると思う」 「あーあ。甘ったれだなぁ」 千尋が苛ついた声を上げる。
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