シティ。

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あたしはプールに浮かぶ。 個室用に調整されたプールだ。 イヤリングで耳にとりつけた送信機から音声が響く。仕事を明日に控えた前夜である。 閑暇を味わっていた。シティのマンションに作られたプライベートなプールだ。 朱鷺がハッチを開き、プールに入ってくる。 「灯理。なにを聴いているの?」 「遺伝子は記憶を受け継ぐらしいわ。静かな場所で、精神を澄ませば過去の記憶を想起しているのかもしれないわね」 「そう。ワインでも飲まない?」 「悪くないわね」 あたしと朱鷺はハッチを開き、プールサイド、ワイングラスで乾杯。
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