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レジの清算も無事に終わり、退勤時間になったので事務所に戻った。
「お疲れ様でーす。」
「お疲れ様です。」
次のシフトのバイトの人達がすでに来ていた。
大学生の人やフリーターの人もいたけど、彼らも洩れなく殺し屋なのである。この店は殺し屋が採用基準になっているんだろうか?
いや、それなら人を殺したことのない自分が採用されている事実がおかしい。
それともこの街自体が殺し屋の多い地区なんだろうか?
そんなことを考えながら退勤登録をして、制服から私服に着替え、
帰る準備を済ませるとスズカワさんに声をかけられた。
「あの、タチバナさん、これからスミゾメさんとファミレスに行くんですけど、良ければご一緒に行きませんか?」
「ああ、ありがとうございます。すいません、今日はちょっと用事があるんで、また今度誘ってください。」
「美人二人スルーする用事ってなんすか?彼女?」
「残念ながらちがうなぁ。前から約束してた用事なんで。お疲れ様です。」
「お疲れ様です。」
「お疲れ様でーす。」
事務所のドアから外に出ると、もう暗かった。
日が沈むのが早くなってきている。
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