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線路沿いを歩き、坂を上りトンネルに入ると、背中から衝撃を受けた。リュックを背負ってたのが幸いだったけど、中に入れてる水の入ったペットボトルが大丈夫か気になる。
幸い転ばずに済んだので体勢を立て直して振り向くと、
ヤンキーっぽい男が立っていた。
「おー、バランス感覚良いやん。」
逆側からの声に振り向くと、二人のヤンキーっぽい男とケバい女が
トンネルの黄色い照明に照らされていた。
顔と声に覚えがある。店でクレームをつけていた中年女性様だ。
「どちら様か知りませんが、なぜ突然蹴られたんですか?」
「勝手に喋んな。おい、とりあえず口きけんようになるまでやれ。」
マフィアのボスみたいに女が言うと、一人と二人がこっちに向かってきた。
ボクは二人いる方向へ走り、一人に軽く拳を当ててしゃがみ、
もう一人の左サイドへ潜り込むように入り込んで抜けた。
マフィアボスの女へと走り寄ると、驚いたような怖い顔でこっちを睨んできたので、いつも店でする笑顔で軽く会釈をして、身を一度屈めてから軽く彼女のスネを蹴って足を引っかけた。
スカッと抜ける感覚があったので、たぶん体勢を崩せただろう。
今のうちに逃げよう。足にはそこそこ自信がある。
トンネルを抜けると、再び背中に衝撃を受けた。
今度はさっきと比べ物にならない衝撃だ。体勢を崩して、僕は倒れ込んだ。
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