2・アトリエにて

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 靭也の唇が夏瑛の唇をふさぎ、抗う声を飲みこんでしまう。  煙草の残り香がする。  唇を離しても、靭也の腕は夏瑛を捕らえたままで、今度は首筋に唇を這わせてきた。  夏瑛の身体がぞくりと震える。 「……ここに座って」そう言われ、作業台に座らされた。  靭也はじっと見つめたまま、ほっそりとした指で夏瑛の唇をなぞる。  そうされただけで、体の芯を稲妻が駆け抜ける。 「うん、その顔だ」  満足そうに言うと、そのまま首筋から肩へ指を滑らせる。  そして、夏瑛の目の前にひざまずき、スカートのすそに手をかけた。 「靭……にいちゃん」   白い内腿が露わになる。  夏瑛の頬は羞恥で真っ赤に染まった。  靭也はそこに唇を寄せてきた。 「……あっ」  ピリッした刺激とともに紅色の刻印がきざまれた。 「毎日顔を見るのに、一緒に過ごせないのはきついな。さっきみたいに他の男と仲良くしているところを見るのも」 「……ただのクラスメイトだよ」 「外で煙草吸ってたら、夏瑛が男といるところが目に入ってさ。夏瑛はおれのものだっていう、印をつけたくなった……」  
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