3・噂

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「何の話?」  そのとき後ろからぽんと肩を叩かれた。  振りむくと北川が微笑んでいた。 「ああ、北川。何でもないよ。女子トークに割り込むと嫌われるよ」  美岬がそっけなく返す。 「はいはい、失礼しました。ねえ、昼食べに行くんだったら、一緒に行ってもいいかな?」  疑問形で話しつつも、北川は返事を待たずに、ちゃっかり夏瑛の横に並んでいた。  込み合っている学食でなんとか席を見つけて腰を下ろしたとたん、北川が話をはじめた。 「しっかし、沢渡なんて、あんな男、どこがいいんだよ。教室中の女子がぼーっとしてたな。でも顔がいいだけじゃん。ああいうのに限って、中身は最悪だったりするのにな」  そんなことない、と心の中では思いつつも、どうフォローしようかと考えていたら、 「北川さぁ、男の嫉妬は見苦しいよ。あんた、先生のこと、なんにも知らないのに」  と美岬がさりげなく夏瑛の気持ちを代弁してくれた。 「なんだよ。平野も沢渡派かよ。じゃあ、原田さんは?」 「えっ、わ、わたしは」と口ごもっていると
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