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あれから数日して吉方はななえを連れてうちのクラスに押しかけてきた。古い木造校舎は走るとミシミシうるさい。
「結城くん!こないだの魔女カフェの話やねんけどな…」
「ちょ、なんなん魔女カフェて!」「なんや楽しそうな計画があるんやねぇ」
中島と喜助が茶化してきた。喜助は心が広いからいいとして、中島はすぐ調子乗るしうるさいし鬱陶しい。喜助と同じバスケ部で相棒のような仲間らしいが、ああいううるさい祭り男は苦手。友達の友達なんて赤の他人だ。吉方が適当にあしらってくれて初めて俺は奴に感謝した。
「うちの姉ちゃんが働いてるお店の一角を貸してもらえることになってん!」
「ケイコの姉ちゃんってメイドカフェかなんかでバイトしてへんかった?」
喜助が間髪入れずちゃちゃをいれた。
「メイドカフェちゃうし!着物メイドカフェやし!!
ならまちにアンティーク着物屋さんいくつかあるやろ?奈良のおしゃれな女子によるおしゃれな女子のためのメイドカフェなんやから。」
「ちなみにホールに立つのはあたしと先生とななたんやから。結城くんは裏で先生の言う通りにハーブの調合をしてね。」
俺はホッと肩をなでおろした。
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